himizu

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剥き出しの感情が
ひりひりと肌を刺す

【ギャグ漫画「行け!稲中卓球部」で人気を博した古谷実が、ギャグを封印して若者の心の暗部を浮き彫りにしたコミック「ヒミズ」を、「冷たい熱帯魚」「恋の罪」の鬼才・園子温監督が実写映画化。ごく普通に生きることを願っていた祐一と、愛する人と守り守られ生きていくことを夢見る景子。ともに15歳の2人の日常が、ある事件をきっかけに絶望と狂気に満ちたものへと変わっていく様子を描く。主演は「パンドラの匣」の染谷将太と、「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」の二階堂ふみ。2011年・第64回ベネチア国際映画祭では、染谷と二階堂がそろってマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した。】




ヒミズ。この映画には弱い人間しか出てこない。弱さを人にぶつける者、弱さをひた隠しにする者、弱さを虚勢し生きる者、弱さを理由に逃げる者。どれも皆人間の本質だ。そんな人間の中で不幸に身を浸していく若者と、それを見守る愛と若さ故の浅はかな行動。疾走感のある映像の中に、感情をむき出しにした若い2人の演技が映えていた。