Su-ki-da

sukida

感覚の全てが
繊細だったあの頃へ

【互いに相手が好きなのに、「好きだ、」の一言を言えない17才のユウ(宮崎あおい)とヨースケ(瑛太)。しかし、ある出来事をきっかけに2人は会わなくなってしまう。それから17年、34歳のヨースケ(西島秀俊)とユウ(永作博美)は東京で偶然に再会する。現場では台本なし、キーワードだけが渡されるという独特の撮影方法で、俳優陣の自然な演技を導き出した。登場人物の息遣いが伝わってくるような透明感溢れる映像が際立つ本作は、2005年ニュー・モントリオール国際映画祭で最優秀監督賞を受賞している。】




好きだ、。あの頃は、相手の視界の中に入ることにとてつもない勇気が必要だったり、近くにいるだけで全身の筋肉が固くなるようだったり、沈黙の中に答えを見つけようとして相手側の肌がぴりぴり痛んだりしていた。そんな繊細な感情が思い返された。そうだった。あの頃は、全ての所作が意味を持っていた。その力は大きかった。すべてだった。そんな気持ちを思い起こさせる作品。

沈黙の絶妙さ、間の取り方と一人一人の距離の自然さ。心理描写をより際立たせる映像の全てでこの映画の完成度は極めて高い。