spring

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何も出来ない自分にも、春は
ちゃんと始まりの季節なんだろうか

最近学生時代を思い出すのはきっと、空気が粉っぽく風が温度を持ち始めたからだと思う。人の記憶は曖昧で、しかも私の場合はさらに長期的な記憶力が悪い。ざわざわとする気分を思い出させるのはいつもこの匂いだ。この季節の匂いは多くの記憶を持っている。

ずっと自分は何かになりたくて走っていた。でもそれはよかったのだろうか。逆に遠回りをして、見えるものに目を凝らさずにここまで来てしまった気がする。いつも何かに追われているような毎日に、手を動かして何かを形にしなければ生きた心地がしなかった。不完全なものばかり作り続けた自分は、どうだろうか。何ができる。何がつくれる。何が残せる。何も極める事の出来ていない私の、社会に出て3度目の春はちゃんと始まりの季節なんだろうか。