fake

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なにも
ない

才能やセンスは生まれもったものと見てきた世界で作られる。だとすれば私の場合は綺麗なものを見てきただけだ。センスがある訳じゃない。自分で撮る写真も作り出すものも、いつもどこかの自分が良いと思ったテイストをなぞっているに過ぎない。それは個性とは言わない。

最近、デザインではなくものを作ったり写真を撮ったりしているうちに、どんどん自分がいなくなっていく気がしている。本質的な部分で自分らしさというものがあれば、それは初めて個性と呼ばれるのだろう。でも自分は違う。まねごとだ。全部まねごとに過ぎないのだ。そう思えば思うほど何かに嵌って身動きが取れなくなる。

奇をてらうようなこの行動の果てに何があるのだろう。そして私は、何がしたいのだろう。