Everything Is Illuminated

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すべては
表と裏にある

【ジョナサン・サフラン・フォアの人気小説を、俳優としても活躍するリーブ・シュライバーが映画化したロードムービー。ユダヤ人の青年ジョナサン(イライジャ・ウッド)は、亡き祖父と見知らぬ女性が一緒に写っている写真を病床の祖母から渡される。その女性が祖父の若き日の恩人であるらしいと知ったジョナサンは、祖父の故郷ウクライナへ向かい、現地の青年アレックス(ユージン・ハッツ)らと共に写真の女性を探すための旅を開始する。】




僕の大事なコレクション。100分ほどと短い映画でありながらも濃い傑作である。物事の真実は一方向からでは全てが解明できるわけではない。全てには表と裏がある。一つの歴史にはそこに触れた何人もの人間と、その人間の歩んだ人生の先にいる若い人生がある。過去は全てを照らす光、というような表現があったが、まさしくその通りだと思った。過去に導かれることで、新たな側面(裏)を知る。原題の直訳は「すべては解明された。」となり、この題してこの映画と納得である。解釈をゆだねるような余韻も残す点もこの映画の良さの一つだ。ぜひ見るべき一作。