War Horse

warhorse

牧草の太陽と戦地の閃光
すべての光を背負いながら

【1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化。第1次世界大戦下を舞台に、主人公の少年アルバートとその愛馬ジョーイの掛け替えのないきずなの物語が展開する。主人公の少年を演じるのは、新星ジェレミー・アーヴァイン。共演は『ウォーター・ホース』の実力派女優エミリー・ワトソン。壮大かつ感動的な物語の行方に注目だ。】




戦火の馬。戦争の映画は苦手だ。普段ならこの映画も避けて通っていただろう。時代に生き死にを決定づけられた人間を思うと見ているだけで辛くなる。この映画はある理由があって見なければならないと思っていた。実際、見てよかったと思っている。戦争に翻弄される何人もの人間に関わりながら、その馬は強く生き抜いていく。痛々しく歩く描写には思わず目を背けてしまった。

馬は不思議な生き物だ。多くを語る潤んだ瞳に美しい肉体、それを支えるしなやかな四肢。走り出した時のそのエネルギーは本能そのものを目に見える形で表現しているかのようだ。いいものが出来そうだ。