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私は
生きている

谷川俊太郎氏の「生きる」という有名な詩がある。淡々と、しかし感情を揺さぶるように語りかけてくる詩。小学生の頃、ある経験をした自分にとって一つの答えとして人生に影響を与え続ける詩だ。

身近な友人を亡くしたのだ。今でもよく覚えている。急に自習になった教室では、金子みすゞの生涯を語るビデオが流れていた。ビデオが終わった頃、いつの間にか戻ってきた先生は静かに告げた。突然すぎて泣けなかった。前々日はバレンタインで、一緒にお互いの意中の人へプレゼントを渡しに行っていたから。たくさん笑っていたから。葬儀では生徒を代表して挨拶をした。思い出がぷつんと途切れたようで、書いた挨拶はちゃんと読めなかった。彼女は消えてしまった。目の前の体はただの体だった。

あれから月日は経って、色々な経験をした。彼女は出来なかったたくさんの経験を。何かをするときに頑張ろうとしてしまうのは「私は生きている」という責任からなんだと思う。ここ最近はそのことを強く感じるようになった。彼女は止まったままだ。

欲望のままの娯楽はいらないと思った。今しか出来ないことは、楽しむことではなくて成長するために手を動かすことだと思うから。恥ずかしくないように生きたい。何人分も働いて、頼られて、生きて、生きて、生きたい。

link to : 生きる | 谷川俊太郎