5×2

5x2

結果への
助長

【『8人の女たち』のフランソワ・オゾン監督が、あるカップルの姿を追いながら、愛の謎を追う野心作。離婚の手続きをしたマリオン(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)とジル(ステファン・フレイス)。ホテルでお互いの肌に触れても再び愛がよみがえることはなかった。マリオンは立ち去りそして時計は逆に回りだす……。】




ふたりの5つの分かれ路。時間の流れを逆転させることで、冒頭の苦悩が明確になり、ラストの笑顔がぐさりとくる。別れという結果への助長はいったいどこから始まったのか。誰もがいつか離れるとは思わず、頑に永遠を疑うことをしない。そしてどこかでなくしてしまった些細なものが、決定的な原因をつくったりする。どの国においても去り際の女性の方が潔いのかと、少し感慨深かった。