「縁」とはとても不思議なものだ。今までの私の人生は、多分「縁」だけで成り立っている。自分には何のスキルもなければ人望も計画性も、何もなかった。ただ周りの人たちに恵まれていて、押し上げてもらっていたのだろう。自分の信じる人やものをただ素直に信頼してきただけ、ただそれだけ。そう考えるととても危うく、もはやここまでこれたことが奇跡のようだ。

もちろんすべて良いことばかりではなかった。仕事帰り、悔しくてタクシーの中で泣いたこともあるし、職場で歯を食いしばったこともある。つぶれたこともあったし辛いこともあったけれど、なぜか今思い出すのは充実した様子ばかりだ。あの経験が私のどこかに刻まれているのなら、あの経験すら愛せる気がする。

すべての「縁」にいつか、大きな恩返しが出来ますように。