【泣いてすがった大失恋を経ても尚、恋がしたいと口癖のようにつぶやく里子。フリーターの彼女の今の仕事はデリへル店「ヘブンスゲイト」の電話番だ。最近親しく口をきくようになった店のNo．1の秋代は、稼いだ金で一人で生きて死ぬために5階以上の高層マンションを買うつもりでいる。一方、イラストレーターの塔子は仕事に没頭しながらも、口を開けば男と占いのことばかりのルームメイト・ちひろの能天気な態度にいらいらを募らせていた。】




ストロベリーショートケイクス。心を痛くしながら見ていた気がする。4人のそれぞれの苦悩や、ぎこちなさ、不器用さが身近すぎて痛かったんだと思う。解放感の無い毎日を生きることへの不信感がひしひしを伝わってきて一緒に苦しくなった。何も悩みなく幸せなことしか考えられてない人は、特に印象も残らず素通りしてしまうんだろう。

劇的な変化や夢のようなハッピーエンドのない、今この瞬間に誰かが同じ現実の中にいるんじゃないかと思えるほどだった。