Life can be so wonderful

Life can be so wonderful

みんなどこかに埋まらない空間を
抱えながら生きているんだと、思う

【38歳のヌードモデル、野枝。自分をモデルにした絵を前に、自らを語り続ける……『世界はときどき美しい』。大阪は新世界の飲み屋を梯子するオヤジ、付いたあだ名は「蝿男」。彼は毎日酒を飲み、そして路上で眠る……『蝿男』。セックスの後、会話がかみ合わない男女。本当の気持ちは、自分にもわからない……『彼女の好きな孤独』。ほか、『スナフキン リバティ』『生きるためのいくつかの理由』の2編を収録したオムニバス作品。】




世界はときどき美しい。淋しさや悲しみの必要性はいったいどこに見出せばいいのだろう。何かにつかまらなければ沈んでしまいそうで、這い上がれそうもないこの毎日の中で。過剰すぎる意識と劣等感で壊れてしまいたい日があるのは、誰しも一緒なのではないかなと、この映画を見て思った。

皆、自分がかわいい。すべてただそれだけのこと。淡々と変わるいくつもの物語に込められたものは、きっといくつもの解釈を伴って完成するのだろう。